救急科

救急科の特徴

何でも相談できる、地域の窓口

救急科という科に対して、どのようなイメージをお持ちでしょうか？一言で申し上げますと、「急に起こった身体のトラブルに対して幅広く診る科」です。また、どれくらい重症であるか？という判断も重要です。その瞬間に何の治療が必要か、命に関わるような危険な疾患ではないのかということも判断し、必要であれば他の診療科や高度医療機関との連携も行い、最善の医療を提供します。体調について気になることがあれば、いつでもどのような事でもご相談ください。

診療科の垣根を越えた総合診療

「今の症状は何科に相談したら良いんだろう？」とお悩みになったことはありませんか？救急科ではいわゆる内科、外科といった垣根なく、頭から足の先まで全て診療する、総合診療科としての一面も持ち合わせています。垣根がないため、発熱や腹痛、下痢、嘔吐、めまい、咳が止まらない、息苦しさ、手足のしびれ、体がだるい、しんどいといった身体の不調から、切り傷、擦り傷、打撲やねんざ、骨折といったケガまで広く対応し、できる限りの医療を提供します。

救急科でよく遭遇する病態

発熱

現在コロナウイルスが猛威を振るっていますが、その他にもいわゆる「風邪」を含めた様々なウイルス感染、あらゆる細菌感染やさらに重症化した敗血症（内臓のダメージを伴う感染症）など、感染症全般で発熱は起こりえます。感染のみならず、関節炎、膠原病や自己免疫疾患、薬剤による発熱、悪性腫瘍、甲状腺疾患などでも発熱は頻繁にみられ、ごくありふれた症状と言えます。
当院では発熱外来を設置しており、特にコロナウイルスやインフルエンザなどの感染性疾患を疑う患者様と一般の患者様の動線を分けて診療し、感染リスクを極力減らせるよう工夫をしております。

頭部の症状

臓器別には脳や目、耳、鼻、のどなどの各器官の症状が中心になります。具体的にはめまい、ふらつき、顔面のしびれや喋りにくい・呂律が回らない、急に眼が見えなくなった、二重に見える、急な難聴、耳鳴り、鼻出血、のどの痛みなど様々なものが挙げられます。頭頚部において危険な疾患としては脳血管障害が代表的ですが、つばが飲めない・よだれが垂れる・ゼーゼーとした息切れ、苦しさを伴う喉の痛みは危険な疾患の可能性が高いです。

胸部の症状

咳や痰、息苦しさ、胸の痛みや苦しさ、動悸などが代表的な症状です。それぞれ肺などの呼吸器疾患や心臓や血管などの循環器疾患が多く含まれます。命に関わる危険な疾患としては特に心筋梗塞や大動脈解離など、心血管系のものが中心となりますが、肺疾患でもよく見られる気管支喘息や肺気腫、あるいはこれらに伴う気胸など、しばしば非常に重症化するケースがあります。

腹部の症状

考慮すべき疾患が非常に多い症状の一つです。胃や腸のような消化管臓器においては胃腸炎、胃十二指腸潰瘍、虫垂炎、憩室炎、腸閉塞、腸ねん転、消化管穿孔など多岐に渡ります。その他肝臓、胆道系、膵疾患では胆嚢炎、胆管炎、肝炎、急性膵炎など、腎臓など尿路系では尿管結石でも起こりえますし、卵巣出血や子宮外妊娠など婦人科系の疾患も重要です。

手足の症状

突然のしびれや麻痺症状、疼痛などが挙げられます。脳や脊髄などの中枢神経に由来する疾患は必ず考える必要がありますし、末梢神経やあるいは骨、筋肉、皮膚の病変という事もしばしばあります。

外傷・外因性の症状

いわゆる「けが」が中心となります。転んでしまって手足を打った、腰を打った、子供の頭部打撲や交通事故による様々なけが、ぎっくり腰のような急な腰痛症、膝の痛みが一般的です。また異物や薬物、毒物の誤嚥・誤飲による症状などもしばしば見受けられ、このような外傷・外因性の症状もまた救急とは非常に縁の深い病態になります。軽い症状と見せかけて実は命に関わる重大なけがや疾患が隠れていることもあり、これらを見逃さない事も大変重要な救急の役割となります。

このような様々な病態・疾患に対し血液検査、心電図、レントゲン検査、CT検査、内視鏡検査などを実施し、総合的に診断・対応致します。なおこれらはあくまで症状や想定しうる疾患の一例にすぎず、全てを表しているものではありません。ここに記載されていないようなことも含め、気になる症状などございましたらお早めにご相談ください。

迅速な検査・他施設との連携体制

今ある症状がどの程度重症なのか？を判定するためには、複数の検査を要することが少なくありません。当院では血液検査、心電図検査、レントゲン検査、CT検査、エコー検査、内視鏡検査の設備を備えております。いずれの検査も即日実施、結果の確認が可能であり、様々な病態に対して総合的な診断を行います。救急領域では特にどれくらい重症か、どれくらいその場での処置や対応が急ぎで必要かに重点を置いて検査を行いますが、緊急の処置が必要と判明した場合はその場で総合病院を受診できるよう連携を取ります。